COLUMN
コラム
ゼブラ企業とは。ユニコーンとの違いと、地方で果たす役割
ゼブラ企業とは、利益の追求と社会への還元を同時に成立させる企業を指します。2017年に米国で提唱され、日本では2023年以降、国が「ローカル・ゼブラ」として政策に組み込みました。急成長より継続を選ぶこの型は、地方に向いています。
ゼブラ企業とは、白と黒を両立させる企業
2017年、米国の非営利コミュニティ「Zebras Unite(ゼブラズ・ユナイト)」を4人の女性起業家が立ち上げ、ゼブラ企業を提唱しました[1]。名の由来はシマウマです。白と黒の縞のように、利益と社会性という相反する2つを1頭のなかで両立させる。さらにシマウマは群れで身を守る。競争より協調を選ぶ姿勢を象徴しています[2]。
ユニコーンのアンチテーゼとして生まれた
ゼブラ企業は、ユニコーン企業への対案として登場しました。ユニコーンは指数関数的な急成長と上場・売却を目指し、短期の利益最大化を優先します。ゼブラは、他社と協調しながら着実に伸び、地域社会や環境と共存する[1]。速さではなく、続くことに価値を置きます。
日本では「ローカル・ゼブラ」として政策化された
日本でも2019年11月、Zebras Uniteの拠点として「Tokyo Zebras Unite」が発足しました[1]。国の動きも速い。政府は「新しい資本主義のグランドデザイン及び実行計画」(2023年閣議決定)で、地域課題を解決するゼブラ企業の創出を明記[3]。中小企業庁は2024年3月に基本指針を示し、令和6年度の地域実証事業では112社の応募から20社を採択しました[4][5]。ゼブラ企業は、いまや国の地方政策の中心概念の一つです。
ゼブラ企業に共通する3つの条件
中小企業庁の基本指針は、地域課題解決型のゼブラ企業を、創業・成長・成熟の3段階で捉えます[5]。共通するのは3点です。第一に、時間・創造性・コミュニティなど多様な資源を組み合わせること。第二に、長期かつ包摂的な経営姿勢を持つこと。第三に、投資リターンの確保と、社会・環境へのインパクトの実現を同時に目指すこと。利益か社会かの二者択一ではなく、両立を前提に設計する点が、従来の企業観と異なります。
なぜ地方にゼブラ企業が要るのか
地方には、行政も営利企業も担えない領域があります。行政の事業は単年度予算と公平性の制約を受け、営利事業は回転率の高い業態に集中する。人口が減る地域では、儲かるが街に残らない事業と、必要だが儲からない事業のあいだに空白が生まれます。この空白を、利益と還元の両立で埋めるのがゼブラ企業です。
当社の位置づけ
当社は、夜間経済を起点に利益と地域還元を同時に成立させるゼブラ企業として設立しました。急成長や上場を目的にはしません。小松の夜に開く100〜140軒を可視化し、人材を育て、地元企業と新規事業をつくる。稼いだ分を街に返し、10年続く事業にする。速さではなく、続くことを選びます。
出典
- IDEAS FOR GOOD「ゼブラ企業とは・意味」
https://ideasforgood.jp/glossary/zebras/ - ZEBRAS AND COMPANY「What is Zebra?」
https://www.zebrasand.co.jp/en/zebras - 中小企業庁「ゼブラ企業の創出・育成に向けて」(2024年9月)
https://www.mhlw.go.jp/content/12000000/001309359.pdf - Zebras and Company「令和6年度ローカル・ゼブラ推進政策の採択事業20社が決定」
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000033.000081881.html - 中小企業庁「地域課題解決事業推進に向けた基本指針」(2024年3月)
https://www.chusho.meti.go.jp/keiei/chiiki_kigyou_kyousei/2024/20240301_01.pdf